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熟睡へ誘う~睡眠の質を高める食材・飲料

人は満腹になると眠気に見舞われることが多く、そのまま寝ることができればどんなに幸せなことか・・・と思ったりもしますが、実際には「食べてすぐ寝ることへの罪悪感」があり、そうした習慣を繰り返すことで、太ってしまったり胃が持たれたりと、決して良いことばかりではありません。

ただ、本能のまま眠くなって寝るわけですので、睡眠の質という観点では「質の高い睡眠が取れているのでは?」と思いがちですが、食後に見舞われる眠気においては、食事による血糖上昇に対するインスリンの働き「グルコーススパイク」の反動によるもので、

体内時計としての眠気とは別の話

▼睡眠の質を下げる要因・生活習慣でもお伝えしておりますが、胃は食べ物の消化でフル稼働している状況ですので、「睡眠の質」という観点では、言うまでもなく良質な睡眠が取れているとは言えないのです。そこで今回は、そんな食事と睡眠の関係についてフォーカスし、

摂ることで睡眠の質が高まる食材と栄養素

をピックアップし、その食べ方や飲み方について詳しくご紹介していきます。

食事の質も睡眠の質も高めるアミノ酸の働き!

睡眠の質を高める栄養素として挙げられるのが「アミノ酸」。
漠然と「睡眠の質を高める」と言っても、良質な睡眠の阻害要因となるストレスを軽減したり、体内時計のリズムを整えたりと、さまざまなアプローチがありますが、そのすべてカバーできるのがアミノ酸です。

なお、たんぱく質を構成する必須・非必須アミノ酸は、通常の食事を摂っていれば不足することはありませんが、体内で産生することができませんので、

やはり日々の食事とその食事内容は非常に重要

そんな眠りの栄養素とも言われるアミノ酸のなかでも、特に睡眠の質を高めると言われる栄養素をいくつかご紹介していきますので、以下のような栄養素を多く含んだ食材を意識的に摂ることを心がけてみましょう。

睡眠の質を向上させる主な栄養素

トリプトファン

トリプトファン

GABA

GABA

グリシン

グリシン

オルニチン

オルニチン

栄養素 特徴 主な食材
トリプトファン 必須アミノ酸9種のなかのひとつ。メラトニンやセロトニンを生成するために必要な栄養素。精神の安定や鎮静、寝つきを良くする睡眠効果がある。 豆腐・納豆などの大豆類、牛乳・チーズなどの乳製品、魚介類・肉類全般
GABA 「γ(ガンマ)-アミノ酪酸」の英語表記。自然界に広く分布する非タンパク質構成アミノ酸。交感神経を抑制し、緊張やストレスを軽減する。 玄米などの穀物、キムチ・納豆などの発酵食品、バナナやメロンなどの果物
グリシン 体内で産生できる非必須アミノ酸。動物性タンパク質内に多く含まれる。摂取により抹消の熱放散を促進、深部体温が低下して睡眠の質が向上。 ゼラチン、豆腐・納豆などの大豆類、鶏肉、イカやホタテなどの魚介類
オルニチン 主に肝臓で働くタンパク質の構成に関与せず、血液中に存在する遊離アミノ酸の一種。疲労感の回復、ストレスホルモンの抑制効果がある。 しじみやマグロなどの魚介類、まいたけやしめじなどのキノコ類、チーズ

熟睡は体内時計の正常化とストレス耐性の向上

睡眠の質を高めるために必要なことは、ストレスや悩み、緊張などによって優位に働く交感神経を抑制し、副交感神経を優位にさせること。そして、人間がもつ体内時計(サーカディアンリズム)を整え、日中に活動ホルモン「セロトニン」を分泌させ、夜は睡眠ホルモンである「メラトニン」の分泌を増やすといったサイクルを正常化させることが重要です。つまり、良質な睡眠を取るためには

  1. ストレスや緊張の耐性を高める
  2. 夜はメラトニンの分泌を促させる

といった点に留意することが肝要です。

自分自身の状況に照らし合わせ、ストレスや緊張状態が続いているようであれば、
・ストレスや興奮を軽減するGABAを摂取

慢性的な寝不足や不規則な生活習慣によって体内時計が乱れている状況であれば
・セロトニンの分泌を促すトリプトファンを摂る

といったことを心掛けると良いでしょう。

ちなみに、睡眠ホルモンであるメラトニンは、活動ホルモンのセロトニンが多く分泌されるほど、メラトニンも分泌されやすくなります。つまり、セロトニンはメラトニンの原料となりますので、朝起きたら朝日を浴びて積極的にセロトニンを分泌させるようにしましょう。

体内時計(サーカディアンリズム)の整え方

朝陽を浴びる・朝食を取る

朝陽を浴びる・朝食を取る

規則正しい生活を心がけ、朝目が覚めたら最初に陽の光を浴びましょう。毎朝決まった時間に起き、朝食を取ることも重要。寝起きに水を飲むのも効果的です。

コーヒーなどカフェインの摂取

日中に積極的に活動する

夜になって自然と眠くなるためにも日中の活動内容が非常に重要です。ウォーキングなどの運動に限らず、お庭の手入れなど積極的に体を動かしましょう。

熱すぎる湯温での入浴

遅い時間の夕食を避ける

体内時計をリセットするには「絶食時間を設ける」ことも重要。翌日の朝食まで10~12時間程度あいだを空けるのが理想。食後の即寝は睡眠の質の低下要因です。


お風呂上り・寝る前の飲みたい熟睡飲料はこれ!

「睡眠の質を下げる要因・生活習慣」のページでは、アルコールやカフェインなど、就寝前はは避けたい飲み物をご紹介いたしましたが、逆に

睡眠の質を高める就寝前に飲みたい飲み物

というのは存在するのでしょうか?

良質な睡眠を得るためには、心身共にリラックスすることが重要ですが、飲むことによってリラックスできる飲み物という観点のほか、良質な睡眠をサポートする栄養素という観点でも睡眠の質を高める飲み物を幾つかご紹介いたします。

睡眠の質を高める飲み物

【心身のリラックスを促す飲み物】
ホットミルクやホットティーなど、基本的に温かい飲み物は体内を温めることで、副交感神経が優位になり眠りにつきやすくなります。トリプトファンを含む牛乳や乳飲料のほか、リラックス効果の得られるハーブティー(カフェインレス)などがオススメです。

【睡眠の質を高める栄養素を含んだ飲み物】
乳製品、乳酸菌飲料などは多くのトリプトファンを含むほか、グリシンを多く含むピーナッツドリンク、GABAを多く含む玄米ドリンクなど、睡眠の質を高めるための飲料は多く市販されいます。基本はホットで飲むのがオススメですが、熱すぎるのは逆効果になるので注意しましょう。

飲食物につきましては、個人的な嗜好が強いため、好みじゃないものを無理して飲む必要はありませんが、逆に飲むのを避けた方が良いという飲み物でも、人によっては寝る前に飲むとリラックスできるというケースもありますので、自身で本当にリラックスできる飲み物を探してみても良いかもしれません。

まとめ

  • 規則正しい生活で体内時計のリズムを整えることが大切。
  • 食事の質も睡眠の質も高めるアミノ酸の働きを理解しよう。
  • トリプトファンやGABA、グリシンなどのアミノ酸を摂取。
  • 体内時計の正常化はストレス耐性を高めることも重要。
  • 朝日を浴び、日中に体を動かすことも睡眠の質を高める。
  • 睡眠の質を高める栄養素を含んだホットミルクがおすすめ。
  • カフェインレスのハーブティーもリラックス効果を高める。

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