
加齢による体の機能の衰えを顕著に実感するのが老眼。
もちろん、顔のシミやしわ、白髪なども加齢を示す代表的な老化現象として挙げられますが、老眼においては「ある程度、日常生活に支障を来す老化現象」ということもあり、特に近くが見えにくいというのは
ストレスにも繋がりやすい
というデメリットがあることも認識しておく必要があります。
特に現代社会においては、スマホの普及などで日常的に細かな文字を見続ける機会が多いだけでなく、働き方やライフスタイルの多様化によって、当たり前のように認識されてきた「規則正しい生活」という概念にも変化が生じている状況ではありますので、
必ずしもこれまでの概念や常識が正しいとは限らない
という柔軟性も必要なのかもしれません。
ただ、老化現象における「老眼」においては、日常の生活習慣はもちろんのこと、
何と言っても目の酷使による部分が大きく
昨今では「スマホ老眼」とも言われる若い世代でも老眼に似た症状が出やすくなっている点は、前回記事「▼スマホ社会における「目の酷使」の深刻化」でもご紹介したとおり。目のピント調整機能を司る
毛様体筋の柔軟性や水晶体の弾力が低下
することによって老眼症状が進行するため、その機能を損なわないためには遠くを見たり、近くを見たりと毛様体筋や水晶体を動かすことが重要だということをお伝えしました。加齢による老眼を回避することはできませんが、それをできる限り抑制する、つまり、
目・視覚機能のアンチエイジングを考える
ということも大切で、当然視覚機能が低下してしまうと、物が見えにくいことで生活の質も低下しますし、上述のようにストレスも溜まります。さらには、
生活や活動の意欲まで低下しかねない
ので、いつまでも健康な目を維持することが何より重要なのです。
このページでは、老眼が進行しやすい目の酷使と生活習慣にスポットを当て、早い段階で老眼症状が出てしまう人と、なかなか症状が出ない人との違いも含め、「老眼の進行を遅らせるための生活習慣や心構え」をご紹介していきます。
まず、老眼の直接的な原因においては、上記でもご紹介したように加齢による毛様体筋の柔軟性の低下や水晶体の弾力低下が挙げられますが、これらはこの部位だけに限らず、加齢によって体の様々な機能が低下するなかでのひとつに過ぎませんので、これを回避することは難しいでしょう。
ただ、これら機能が低下しやすい環境という観点で言うと
長時間ピントが固定状態となるパソコンやスマホの長時間使用
が挙げられ、何はともあれ目の休息が足りていないという要因は、ある程度ご自身でもコントロールできる部分かもしれません。
ただ、現代社会においては何かとパソコン作業も多く、仕事が終わればスマホに夢中・・・といった生活習慣ですと、
目が休まる時を知らない
という状況になりますので、当然目の機能の劣化スピードは速まると考えた方が良いでしょう。
その他の大きな要因として挙げられるのが「紫外線」
紫外線によって、肌にシミやしわができやすくなるのと同様、老眼の直接原因とされている水晶体の弾力低下については
紫外線によって水晶体が硬化しやすくなる
といった特徴もあります。
陽の光を浴びることで目の網膜が太陽の光に反応し、活動ホルモンであるセロトニンが分泌さることで体内時計のリズムを正常化させるため、特に朝目が覚めた際は太陽光を浴びた方が良いという点については、Re:コラム「▼体内時計をつかさどるメラトニンの働きを理解しよう」でも取り上げておりますが、一方目から紫外線が入ることで、
活性酸素を発生させてタンパク質が酸化
タンパク質が酸化することで、水晶体の弾力低下するだけでなく、タンパク質自体が白く濁ることで白内障を引き起こすため、もちろん睡眠の質を向上させるためには陽の光を浴びることも重要なのですが、視覚機能のアンチエイジングという観点では、
紫外線の影響を受けないよう屋外では帽子やサングラスを着用
して、紫外線から目を守ることも重要なのです。 特に40代前後となりますと、運動習慣を身につけるために屋外でウォーキングやジョギングをされる方も増えてきますが、
目の紫外線対策をしている人はほとんどいない
のが実情です。
こうした何気ない日常生活においても、老眼の進行速度は変わってきますので、ピントが固定されるような目の酷使の回避と紫外線対策においては、老眼世代の中高年にとってはマストの対策だと認識しておく必要があります。
40代前後から始まる老眼は、なんとなくその症状は自覚しつつも、
多くの人がその事実を認めたくない
というのが心情であり、誰しも「その進行を遅らせたい」と考えるのが一般的です。もちろん、老眼においては加齢による老化現象ですので、その老化にあらがうことなく上手につきあっていくことも大切ですが、実際に
50代になるとその機能低下はもっと加速
します。
さらには物が見えにくいという症状だけでなく、緑内障や加齢黄斑変性、白内障といった加齢特有の目の疾患にもかかりやすくなります。
特に緑内障においては、日本の中途失明原因で最も多くみられる疾病で、40歳以上で5%、60歳以上では1割以上の患者がいる(※)と言われています。
※出典:公益社団法人 日本眼科医会
https://www.gankaikai.or.jp/health/56/
ただ、こうした目の疾患においては自覚症状がないため、そもそも治療をしない、治療をしても途中でやめてしまうという傾向が強く、
目の健康に対する意識の低さが当面の課題
普段から、目の健康維持や加齢特有の疾病に対して予防に努めている人は、他の老化現象に対して相対的に低い傾向にあるため、厚生労働省も
目の健康寿命の促進の施策として「アイフレイル予防」を提言
フレイルとは、年を重ねるごとに低下してく心と体の働きを指し、フレイルを予防するためには、適度な運動習慣や栄養バランスの取れた食事のほか、社会性の孤立を回避することなどが挙げられますが、アイフレイル予防については厚生労働省も提言する
日本眼科啓発会議:アイフレイル啓発公式サイトのセルフチェックツール
https://www.eye-frail.jp/checklist/tenken/
を活用してみると良いでしょう。
加齢に伴う視覚機能の低下は転倒事故などにつながりやすく、また歳を重ねるごとに下肢運動機能も低下傾向にあることから、物が見えにくいだけのお話ではなくなってしまいます。
アイフレイル予防においては、日頃から目の健康をサポートする栄養素を積極的に摂ることはもちろん、それと合わせて紫外線対策、さらには加齢によって衰えやすい下肢筋力の強化を心掛けるといった
加齢による機能低下に対するトータル的な対策が必要
であることは言うまでもありません。
ウォーキングなどの運動習慣はもちろん、「▼目の健康に役立つ栄養素と食材」でもご紹介しておりますが、アントシアニンやルテインといった視力回復効果がある栄養素のほか、ビタミン類が豊富に取れる緑黄色野菜などを継続的に摂ることが肝要なのです。
記事監修:久保 明 医学博士
医療法人財団百葉の会銀座医院 院長補佐
東海大学医学部医学科 客員教授
日本臨床栄養協会 理事長
元 厚生労働省薬事・食品衛生審議会 専門委員
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