
これまで、ミドル・シニア世代における膝痛「変形性膝関節症」について、さまざまな視点からその対策や付き合い方をご紹介してきました。基本的には運動療法が必要で、安静にするより動かして筋力をアップさせることが必要という点もご理解いただいたかと思いますが、それと同時に食生活面の見直しも重要だということをご紹介いたしました。
食生活の見直しにおいては、食べる量や質を見直して減らして、
膝関節の負担増となる体重増を避ける
という観点でお伝えしてきましたが、一方で
効率良く筋肉量を増やすためにはタンパク質の摂取は必須
であり、その他にも摂取したタンパク質が、効率よく体内に吸収されるために必要となるビタミン類などの摂取も考慮しなければなりません。
膝関節への負担を軽減させるために、端的に食事の量を減らして体重が低下したとしても
必要な筋肉まで落ちてしまえば本末転倒
必要となる栄養素はしっかりと摂ったうえで、中年太りの場合は体重も落とすという言わば「試練」のような食生活の見直しとなりますが、このページでは膝が痛い時に摂りたい栄養素や食材についてスポットを当て、
食事面からの膝痛対策について
ご紹介していきます。
筋肉量を増やすためにはプロテインを摂るということは、皆さんもある程度はご存じかもしれませんが、ボディビルダーのような強靭なボディは、単に筋トレだけで大きくなるものではなく、
運動前後の食事が非常に重要
だとされています。
膝痛対策における下肢筋力の強化についても、基本的にはボディビルダーのトレーニングと同様、大腿四頭筋を中心に負荷を掛けて筋肉を大きくする必要がありますので、筋トレが
効率よく筋肉として身に付くかは摂る食事・摂る栄養素次第
といっても過言ではありません。。
もちろん、タンパク質だけ積極的に摂れば良いというわけでもありませんので、このページでは、膝痛対策に必要な筋力を効率よく向上させるための食生活の心構えについて詳しくご紹介していきます。
まずはじめに、筋肉を効率よく増やすためには良質なタンパク質の摂取が必須で、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)※」の調査でも、18歳以上の男性で1日65g以上、女性で1日50g以上の摂取が推奨されています。
※出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
目安としては
体重g×0.8÷1000
が最低限摂りたい摂取量(グラム)の目安となります。
そのため、体重70kgの方なら56g、80kgの方なら64gは毎日摂ることを心掛ける必要があります。数ある食品のなかでも積極的にタンパク質が摂れることで人気のサラダチキンの多くは、
タンパク質が15~20g
であることが多いので、単純に考えても体重70kgの方でも約3つ、女性でも2つ程度は摂る必要があるという計算になります。
ただ、普段の食事のなかでもタンパク質が豊富に含まれている食品も多いので、上記で挙げた一日の摂取量目安においてはそれほど難しいわけではありません。そこで、普段口にしやすい食材のなかで、高たんぱくな食品をいくつかご紹介します。
イクラ:32.6g
イワシ:24.6g
生ハム:24.0g
鶏むね肉:23.0g
卵:16.5g
納豆:16.5g
※100gあたりの含有量目安
鶏むね肉や大豆製品にタンパク質が多く含まれていることはよく知られていますが、イクラやイワシといった魚類の方がそれをゆうに上回るという点は特筆すべき内容かもしれませんね。
なお、タンパク質においては、
がありますが、その違いにおいては
といった違いが挙げられます。
動物性タンパク質においては、体内で作ることのできない必須アミノ酸9種を全て含んでいる食材が多く、体内への消化吸収率も高いのが特徴である一方、
動物性ゆえに脂質が多い傾向
にあるため、食事の内容によってはカロリーオーバーになってしまうデメリットも。
一方の植物性タンパク質においては、必須アミノ酸9種全ては含んでいませんが、
相対的に低脂質でヘルシー
といった特徴があるため、カロリーを制限したい方などにオススメです。
動物性・植物性ともにバランスよく食べ合わせることが大切で、高タンパクを意識した食生活には欠かせない栄養素であると言っても過言ではないでしょう。
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さて、筋肉量を増やすためには積極的にタンパク質の摂取が必要であることは理解しましたが、そもそもタンパク質は、20種類のアミノ酸が結合してできた化合物であり、20種のアミノ酸のうち
ひとつでも不足するとタンパク質を生成できない
ため、特に人間の体内で合成できないバリン・ロイシン・イソロイシン・スレオニン・メチオニン・リジン・フェニルアラニン・トリプトファン・ヒスチジンの9種は、食事から摂取する必要があるのです。
必須アミノ酸の名称を聞くだけでちょっと混乱してきそう・・・
ではありますが、食品として摂取されたタンパク質は一度アミノ酸に分解され、肝臓で筋肉を作るタンパク質が合成されます。そのアミノ酸に分解され、筋肉を作るタンパク質として再合成される際に、その働きを助けるのがビタミンB6です。摂取したタンパク質の量に応じて、必要となるビタミンB6の量も決まるため、
タンパク質と合わせて摂るのが理想
ではありますが、ビタミンB6は多くの主食に含まれるため、基本的に不足することはありませんが、プロテインなどでタンパク質の摂取を増やしている際などは、合わせてビタミンB6を多く含むバナナやサバなどを摂ると良いでしょう。
その他、脂溶性ビタミンとなるビタミンAやD、水溶性ビタミンであるビタミンCも
代謝に関わる重要な役割を担います
ので、特に体内に蓄積されない水溶性のビタミンCは、コラーゲンを合成するのに必要不可欠なビタミンなので、毎日意識的に摂ることを心掛けましょう。
そしてもう一つ、タンパク質を摂るタイミングについてです。
特に筋力強化のための筋トレを行うにあたっては、事前に食事でタンパク質を摂った方が良いのか、筋トレ後に食事を摂った方が良いのか、とても悩ましいところではありますが、基本的には
というのが王道。
特に筋トレ後においては、トレーニングによって傷ついた筋肉を補修し、筋肉を大きくするためにたくさんのエネルギーやタンパク質を必要としますので、吸収力の高い動物性タンパク質をしっかりと摂ることが大切です。
疲れてたからといってそのまま寝てしまうのはNG
筋力をアップさせ、膝関節への負担を少なくするのが目的である以上、筋肉量や筋力が増えなければトレーニングの効果も半減してしまいます。筋トレも、トレーニングの仕方によっては一定の有酸素運動効果が得られるため、
せっかくたくさん汗をかいたんだから何も食べたくない
と思われるかもしれませんが、筋肉量の増加は基礎代謝のアップにつながりますので、結果的に痩せやすい体になる可能性があることも認識しておくようにしましょう。
記事監修:久保 明 医学博士
医療法人財団百葉の会銀座医院 院長補佐
東海大学医学部医学科 客員教授
日本臨床栄養協会 理事長
元 厚生労働省薬事・食品衛生審議会 専門委員
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