
30代後半から40代にかけて急激に進行するのが老化。
老化現象は、見た目の変化だけでなく、脳から内臓、筋肉や骨まであらゆる部位で機能が低下していき、個人差はあれど、誰しも必ず訪れる生理現象みたいなものではありますので、その現実と向き合って上手に老化と付き合っていく必要があります。
ただし、老眼や白髪などは老眼鏡もあれば白髪染めもあるのに対して、内臓や骨、筋肉といった体を形成する組織における老化については、
言うまでもなくカバーできるものがありません
ので、外見的に若々しく見せることができても、内面的には年齢より老けて見える・・・なんてことも往々にあることでしょう。
特に筋力の衰えにおいては、顔のたるみやシワなどはもちろんのこと、背筋が曲がったり、姿勢が悪くなったりすることで、
自身では気付かないけど相当に歳とって見える
なんてことも珍しいことではありません。
ただし、上述のとおり骨や筋肉の老化においてはそれをカバーできるものがありませんので、日頃からカルシウムなどの栄養をしっかり摂ったり、習慣的に筋トレを行って
筋肉量と筋力の維持を心掛けるしかありません
さらに加齢による筋力の低下は、見た目だけでなく、歩く・立ち上がるといった日常動作すら悪影響を及ぼすため、実は白髪やシワといった一般的に知られる典型的な老化現象以上にとても重要な課題と言っても過言ではないのです。
と言うと少々大げさかもしれませんが、老化による筋肉量の減少においては、
主に下肢筋肉から低下していき
なかでも、人の体のなかで一番大きな筋肉「大腿四頭筋」の減少が顕著となります。早い方ですと、20代後半から減少が始まると言われるほどで、大腿四頭筋が体に占める割合が大きいこともあり、個人差こそあれど誰でも筋肉量は減少する傾向があります。つまり、
加齢によって自然と膝への負担が増える
ということですね・・・
今回は、そんな膝痛との相関性の高い大腿四頭筋にフォーカスして、老化による筋肉量の減少を抑えるべく、大腿四頭筋の鍛え方についてご紹介していきます。体を引き締めようと、筋トレに励もうとする方も多い中高年世代ですが、上半身だけでなく、下半身のトレーニングの重要性も認識しておきましょう。
そもそも大腿四頭筋とはどこの筋肉なの?
と思われる方も多いかもしれませんが、大腿四頭筋は太ももの筋肉、大腿骨の前部を取り囲むように存在する「大腿直筋」「外側広筋」「中間広筋」「内側広筋」の4つの筋肉の総称で、主に膝関節の伸び縮みの役割を担い、人の下半身の動作のほとんどに関わってくる筋肉です。
大腿四頭筋においては、歩く・立つ・しゃがむといった運動以外の日常的な動き以外にも、
体全体の体重を支える役割も担っており
この大腿四頭筋が弱まると、主に膝にかかる負荷が集中して膝痛の原因となります。
「▼加齢による筋力低下と体重増が膝への負担に」でもご紹介したように、加齢によって筋肉量が減少しだすと、まず
大腿四頭筋をはじめとする下肢筋肉が衰えてくる
ため、上述のとおり老化が始まる40代以降は、誰でも膝痛を引き起こすリスクが高まるのです。
大腿四頭筋には、その言葉通り4つの筋肉があり、
それぞれの筋肉で役割は異なります
例えば「内側広筋」は膝の内側を支える筋肉で、内側広筋が弱くなると膝の内側の半月板を損傷しやすくなったり、一方の外側広筋は膝蓋骨(膝のお皿)を安定させる役割を持っており、こちらが弱まると動作時の安定性が衰えたりします。
膝痛リスクの軽減を図るうえでは、大腿四頭筋を個別で鍛えようとする必要はありませんが、日本人は相対的にO脚が多く、それが原因で内側の半月板を痛めることが多い傾向にありますので、内側広筋を鍛えることで半月板損傷のリスクを低減できることにつながります。
繰り返しとなりますが、大腿四頭筋は人の体で最も大きな体積を誇る筋肉となりますので、老化によってその筋肉が減ることで筋力が弱まることはもちろん
ということが考えられますので、筋肉量や筋力をできる限り落とさないよう、日頃から大腿四頭筋を使っておくことが重要なのです。
▼健常な中高年のひざの曲げ伸ばしの改善をサポート「ひざのみかた」
膝痛予防には大腿四頭筋のトレーニングが重要であることは理解できましたので、次は「実際にどのようにトレーニングをすればいいの?」という点をご紹介していきます。もちろん、既に膝が痛むという方とそうでない方の取り組み方は変わってきますが、
できる限り膝関節に負荷を掛けない
トレーニングを幾つかご紹介いたしますので、徐々に負荷を高めていくようなイメージで日々の運動習慣に取り入れるようにしましょう。
1,膝下に丸めたタオルを入れて押しつぶす
ウォーキングなどで膝が痛む時は、膝に負荷が掛からない状態でのトレーニングが効果的。座った状態で膝を伸ばし、タオルは10秒程度押しつぶすようにすれば、大腿四頭筋が使われていることが実感できます。柔らかめのストレッチポールなどでも代用できます。
2,仰向けで寝たまま足上げ運動
床に仰向けで寝て、そのまま足を20cm程度持ち上げます。状況に応じて10~20回程度を何セットか行うようにしましょう。足を持ち上げる際は、つま先を上に向けることがポイント。仰向けではなくイスに座った状態でも効果があります。
3,チューブレッグプレス
イスに座った状態で、チューブやゴムバンドなどを足裏に引っ掛け、両手でチューブを持った状態で膝を伸ばす、曲げるを繰り返します。チューブの張力が程よい負荷となり筋力強化につながります。トレーニング用のチューブは、1,000~2,000円程度で購入することができます。
4,空気イス
壁に背中つけた状態で徐々に状態を降ろし、イスに座ったような状態を作ります。俗にいう空気イスで、はじめのうちは大きな角度を付ける必要はなく、慣れてきたら徐々に膝が90度近くなるようにお尻を落としていきます。空気イスの状態で30秒程度キープするよう意識しましょう。
5,スクワット
大腿四頭筋における自重トレーニングの定番で、器具なしで気軽に自宅で行うことができます。ポイントは太ももが床と平行になるまで下げるという点で、お尻を落としてしゃがみ込んではいけません。1セット20回前後、3セット程度行うようにしましょう。
6,自転車運動
膝の痛みが落ち着いている状態であれば自転車もおすすめ。フィットネスバイク(エアロバイク)でも問題ありません。ウォーキングより膝に自重が掛かりにくく膝への負荷を調整できます。外で自転車を漕ぐのであれば、急な上り坂や立ち漕ぎなどは避けるようにしましょう。
7,水中ウォーキング
外でのウォーキングは多少なりとも膝に負荷が掛かりますが、水中ウォーキングであれば膝への負担が小さく、さらには水の抵抗が脚力強化やバランス強化につながるため、膝痛対策には最も効率の良いトレーニングと言えます。
上記以外にも、膝の具合や筋力に応じて様々なエクササイズがありますが、筋力強化に重要なポイントとしては
膝関節を守りつつ筋肉に負荷を掛けること
となりますので、ある程度筋肉を疲れることが重要です。
突発的に短時間で済ませてしまうのではなく、疲れても何セットか繰り返して筋肉に負荷を掛けることを心掛け、日々の運動習慣に取り入れるようにしましょう。
記事監修:久保 明 医学博士
医療法人財団百葉の会銀座医院 院長補佐
東海大学医学部医学科 客員教授
日本臨床栄養協会 理事長
元 厚生労働省薬事・食品衛生審議会 専門委員
ひざ関節の違和感が気になる方はリフレの「ひざのみかたW」にお任せ
リフレの「ひざのみかたW」は、ひざ関節の曲げ伸ばしにサケ軟骨由来の2つの軟骨成分「プロテオグリカン」と「Ⅱ型コラーゲン」を配合したサプリメントです。立ち上がる・長く歩く・階段の昇り降り等の際にひざ関節が気になる方に適しています。