古来より、バラは香りや花そのものを楽しむ以外に、薬用としても重宝されていました。
伝統的な自然薬として19世紀頃の修道院や医者の間でも使われていたとリラの修道院の治療ガイドに記載されており、眼や皮膚などの炎症やアレルギー、消化器系など多岐に渡ってバラの花びらや実を使っていたようです。
花びらは胃の消化剤、花びらの酢漬けは頭痛薬、ダマスクローズのシロップは下剤として、ローズウォーターは目薬や消毒液、実はビタミンCが豊富で今なおハーブティーとして人気があります。
これらはバラの成分である「ゲラニオール」や「ネロール」が関係してきます。
ゲラニオールはバラの香りを発生、持続させる効果があり、体内に吸収されると一定時間後に汗腺などから汗と一緒に放出されるので、口臭や体臭などを抑える効果もあるとされています。
また、抗菌作用、保湿作用、日焼けなどのほてりを抑えてくれる消炎作用や、女性ホルモンの働きを助ける効果があると言われています。
ネロールはバラの香りの力で自律神経に作用してリラックス効果を促し、緊張感を緩めることでホルモンバランスを調整してくれるので、美容効果も高まると考えられています。
ただ、妊娠中の方には作用が強く出てしまう可能性があるためおすすめできません。
ワイルドローズと呼ばれる野バラ系の種類には実をつけるものがあります。ドッグローズ(別名ロサ・カリナ、イヌノイバラ)、ハマナスなどがその種類になります。よくハーブなどで「ローズヒップ」というのがありますが、これがバラの実です。
ローズヒップはビタミンCなどの栄養素が豊富で、同量のレモンの約20倍のビタミンCが含まれています。ビタミンCの持つ特長としてはメラミンの増加を抑える美白効果、コラーゲンの生成を助ける効果などがあり、お肌のトラブル解決に導く若返りのビタミンと呼ばれているほど。
またビタミンCは免疫力の向上も期待できるので風邪の予防などにも良いとされています。
バラは花美しさや、香りを楽しませてくれるだけでなく気持ちをリラックスさせ、また摂取することで美肌や女性ホルモンを整える働きがあるなど、女性に嬉しい効果が多く伝えられています。
バラの知識が深まれば、ますますバラが好きな女性が増えそうですね。